事務職への転職を考えるとき、必ず問われるのが「自己PR」。
中でも「コミュニケーション能力」は多くの求人票で求められる必須スキルです。
しかし、具体的にどのように書けば効果的に伝わるのか、悩む人も少なくありません。
この記事では、事務職の経験者・未経験者それぞれに合った自己PR例文を紹介し、面接官に「この人と働きたい」と思わせるポイントを解説します。
なぜ事務職に「コミュニケーション能力」が必要なのか?
事務職は一見すると「パソコンに向かって黙々と作業をする仕事」と思われがちですが、実際には社内外とのやり取りが多く、コミュニケーション能力が非常に重要視されます。
代表的な業務と必要なコミュニケーション力
業務内容 | 必要なスキル |
---|---|
電話・メール対応 | 丁寧で正確な「伝える力」 |
各部署との調整 | 相手の状況を理解する「聞く力」 |
会議の議事録作成 | 情報を整理する「要点把握力」 |
クレーム一次対応 | 冷静で的確な「対応力・共感力」 |
このように、事務職におけるコミュニケーション能力とは、単なる「おしゃべりが得意」ではなく、「相手と円滑に業務を進める力」を意味します。
自己PRで意識すべき3つの要素

自己PR文には、ただ「コミュニケーションが得意です」と書くだけでは不十分です。読み手の心に響くには、次のような要素を意識することが重要です。
【経験者向け】事務職の自己PR例文3選
事務職経験がある人は、実際のエピソードを中心に成果や工夫を盛り込むと効果的です。
✅ 例文①:社内外との調整で成果を上げたケース
「前職では営業事務として、受発注管理や納期調整を担当しておりました。
営業・製造・顧客の三者間でのやり取りが必要な中、各立場のスケジュールを正確に把握し、柔軟に対応することでトラブルを未然に防ぎました。
特に、繁忙期の納期調整ではリードタイムの交渉により遅延件数を前年比30%削減することができました。
今後も、立場の異なる関係者と信頼関係を築きながら、業務の円滑な進行に貢献していきたいと考えております。」
✅ 例文②:正確な情報共有と伝達力
「総務部での5年間、契約書の管理や報告書の取りまとめ業務に従事してきました。
社内での情報共有ミスを防ぐために、報告様式やテンプレートを改善し、誰でも見やすく伝わる資料作りを徹底しました。
その結果、部内での情報の取り違えや確認漏れが大幅に減少し、“報告の橋渡し役”としての信頼を得ました。
応募先でも、正確かつ迅速な情報伝達で円滑な組織運営に貢献したいと考えています。」
✅ 例文③:顧客との信頼構築に成功
「物流会社にて事務職として勤務していた際、お客様からの電話問い合わせやクレーム一次対応を担当していました。
クレーム対応では相手の言葉だけでなく声のトーンや背景を読み取り、冷静かつ共感的に対応することで、二次クレームを50%以上減らすことができました。
このような経験を活かし、貴社でも“信頼される窓口”として、顧客対応や社内連携を担ってまいりたいと考えております。」
【未経験者向け】事務職の自己PR例文3選
未経験者の場合、これまでの経験の中から「コミュニケーション能力」が発揮された場面を具体的に述べることで、事務職に通じるスキルをアピールできます。
✅ 例文④:接客業からの転職/臨機応変な対応力
「飲食店で5年間ホール業務に携わり、接客はもちろん、キッチンとの連携や予約対応など、状況に応じた判断と調整を行ってきました。
特に混雑時には、クレームになりそうなケースをいち早く察知し、スタッフ間で分担を再調整するなどの工夫で、多くのお客様にご満足いただけました。
忙しい中でも冷静に状況を把握し、柔軟に対応する力は、事務職においても業務調整や関係者対応に活かせると考えております。」
✅ 例文⑤:販売職からの転職/わかりやすく伝える力
「アパレルショップで4年間接客販売を担当し、お客様のご要望に合わせて商品の提案を行ってきました。
その中で、“自分に似合う服がわからない”という方にも、色味やシルエットを具体的に説明し、ご納得いただけるよう心がけておりました。
複雑な情報でも、わかりやすく整理して伝える力には自信があります。
今後は事務職として、社内外の関係者との情報共有や資料作成にこのスキルを活かしたいと考えております。」
✅ 例文⑥:介護職からの転職/相手に寄り添う姿勢
「これまで介護職として高齢者施設に勤務し、ご利用者様やご家族、医療関係者との密なコミュニケーションが求められる環境にいました。
体調や感情の変化を読み取って対応する力を養い、小さな異変にも気付き迅速な報告・連携を行うことで、事故の予防にも貢献できました。
こうした“相手を思いやる対応力”は、事務職においても社内調整や来客応対に活かせると考えております。」
自己PR作成のチェックポイント

チェック項目 | 意図 |
---|---|
「誰に、どのように伝えたか」を明示 | コミュニケーションの具体性 |
成果・改善点に数字が含まれているか | 信憑性と成果の明確化 |
応募先での活かし方が記載されているか | 入社後のイメージを持たせるため |
丁寧で誠実な印象を与える言葉づかいになっているか | 人柄や対応力が伝わる |
まとめ
事務職における自己PRでは、「聞く・伝える・連携する」といったコミュニケーション能力を、具体的な経験と実績に基づいて伝えることが大切です。経験者は業務上の成果や改善実績を中心に、未経験者は前職で発揮したコミュニケーションスキルを、事務職にどのように活かせるかを意識して書くようにしましょう。
まずは今回紹介した例文を参考に、ご自身の経験を振り返ってみてください。そして、言葉にして整理することで、自分の強みが明確になっていきます。
事務職に必要なスキルの本質は、「周囲と協力して業務を前に進める力」。あなたがこれまで培ってきたコミュニケーション能力は、きっとその役に立ちます。