転職時に聞かれる「力を入れて取り組んだこと」職種別例文と対策

2025年6月20日

転職活動では定番の質問「これまでに最も力を入れて取り組んだこと」。
どう答えるのが効果的か迷う方も多いでしょう。

本記事では、企業がこの質問をする理由や、効果的に答えるための構成方法であるSTAR法を紹介します。

その上で、職種別・シーン別の具体例を通じて、読者が自分の経験を的確に伝えるためのヒントを提供します！

面接で「力を入れたこと」を聞かれる理由

企業がこの質問をする目的は大きく三つあります。

一つは、応募者がどのような姿勢で仕事に取り組んでいるかを知るため。
次に、その経験から見えるスキルや適性を把握するため。
そして三つ目に、企業の風土や求める人物像と合致しているかを確認するためです。

面接官は応募者の過去の行動や成果から、入社後の活躍を想像しようとしているのです。

姿勢や情熱：仕事に本気で取り組む意欲を確認したい
スキル・適性の把握：具体的な例から強みを見たい
企業とのマッチング：会社の文化・価値観と合っているかを探る

回答に使えるフレームワーク：STAR法

面接で効果的に伝えるためには、エピソードの構成が重要です。
STAR法は、話を論理的に組み立てるためのフレームワークであり、多くの採用担当者にも浸透しています。

まず、「Situation（状況）」で取り組んだ背景を説明し、「Task（課題）」で当時の目標や課題を提示します。

その上で「Action（行動）」では自分がどのような工夫や努力をしたのかを述べ、「Result（結果）」で成果やそこから得た学びを伝える構成です。

これにより、話の筋道が明確になり、聞き手にとって理解しやすくなります。

項目	内容解説
Situation（状況）	いつ・どこで・どんな環境だったか
Task（課題）	あなたに求められた役割や目標
Action（行動）	実際に行った施策・アクション
Result（結果）	数値や定性的成果と、どのように活かすか

構成が整理できるだけでなく、面接官からの「深掘り」にも対応しやすくなるメリットがあります

職種別の例文集

✅①営業職の例📃

1. 新規顧客開拓プロジェクト

新商品の営業を担当した際、販売方法が確立されておらず成果が出づらい状況でした。
私は市場調査を行い、顧客のニーズに沿った提案資料を作成。
社内勉強会も開催し、情報を共有しました。
結果として、3ヶ月で新規取引先を6社獲得し、売上も25％向上しました。

2. 既存顧客の深耕営業

既存顧客の継続率が低下していたため、契約更新前にヒアリングを行い、個別対応を実施。
課題を早期に把握し、柔軟な提案を繰り返したことで、継続率は70％から90％に向上しました。

3. チーム営業の成果最大化

営業部のリーダーとして、進捗共有の朝会を導入。
情報の見える化によりメンバー間の連携が強化され、チーム全体の月間受注率が15％向上しました。

✅⓶事務職の例📃

1. 業務効率化への取り組み

在庫管理で人的ミスと残業が多発していたため、Excelを用いた自動集計ツールを導入。
マニュアル作成と研修も実施し、残業は月30時間削減され、入力ミスも大幅に減少しました。

2. 書類整理と電子化の推進

社内で紙資料が山積みになっていたため、全業務文書を電子化。
検索性を高め、保管スペースも大幅に削減しました。
管理工数が30％減り、社内からも好評価を得ました。

3. 社内手続きの標準化

部署内で申請手続きの方法が人によって異なり非効率だったため、統一フローを整備。
ルール化することで確認・差し戻しが減り、処理スピードが1.5倍になりました。

✅③接客業の例

1. 顧客満足度の向上

百貨店の婦人服売り場で、リピーター向けのサービスを強化。
来店履歴を活用した提案などにより、売上は前年比12％増、顧客満足度も85％に向上しました。

2. クレーム対応マニュアルの作成

クレーム対応が属人的だったため、事例ごとの対応マニュアルを作成。
スタッフ間の対応品質が均一化され、クレーム件数が20％減少しました。

3. 販売スタッフの教育体制整備

新入スタッフの育成に課題があったため、OJTマニュアルとロールプレイ研修を導入。
育成期間が従来の半分に短縮され、戦力化が早まりました。

成功のポイント

・STAR法で構成を整える
・数値で成果を示す
・キルと志望企業との接点を強調
・前向きな姿勢で成長を伝える

「今まで頑張ったこと」と自己PR・志望動機のつなげ方

「最も力を入れて取り組んだこと」は、自己PRや志望動機にも深く関係しています。

その経験で得たスキルや価値観が、応募先の業務にどう活かせるのかを意識して伝えることで、話に一貫性が生まれ、より説得力が増します。

面接では、「経験→スキル→志望動機」の流れが重要です。

例）

「私は前職で資料自動化に取り組み、残業30時間削減とミス70％減を実現しました。その過程で得た“課題発見と改善の力”を、御社でも○○部門の業務効率化に活かし、チーム全体の生産性向上に貢献したいと考えています。」

このように締めることで、経験が“活かすべき能力”になります。

回答時の注意点＆NG表現

伝える内容が抽象的すぎると、面接官には響きません。
「頑張りました」だけではなく、どのように取り組み、どんな結果を出したのかを具体的に示す必要があります。

また、企業との接点を無視して話すのも避けましょう。応募先で活かせる経験であることを示すことが重要です。
また、ネガティブな内容ばかりにならないよう注意しましょう。

苦労話を伝える場合も、「そこから何を学び、どう成長したか」に重点を置いて話すと、前向きな印象を与えられます。

具体性の欠如：「なんとなく頑張った」では評価されにくい
数字がない：「○％改善」「○時間削減」など数字化を心がける
誇張表現：実態より大きく見せない（キャプテンなのに実際は…等）
企業との接続が弱い：経験と志望企業の接点を必ず入れる
ネガティブな印象：「苦労した…」ではなく「挑戦し成果を出した」形に

面接官が高評価する伝え方のコツ

まず結論から話すことで、聞き手に内容が伝わりやすくなります。

「私が最も力を入れたのは○○です」と述べたうえで、背景や行動、成果を簡潔に説明しましょう。
話の長さは1〜2分程度が目安です。

さらに、得られた学びを明確にし、それをどのように応募企業で活かせるかを示すことで、面接官の評価につながります。

単なるエピソード紹介ではなく、将来への意欲を感じさせる話し方を意識しましょう。

結論→理由→具体例→今後活かすの順で話すと聞きやすい
過程とスキルを重視：ただ結果だけではなく「どう思考して動いたか」を述べる
前向きな表現：「挑戦した」「改善した」「協力した」など能動的表現を選択
人→自分→企業の一貫性：経験→その中で磨いた強み→それらを企業でどう発揮するか、を一貫してつなげる

まとめ